結婚式へ出席する叔母は、まず両家の母親の服装、会場、時間帯、和装・洋装の希望を確認し、母親より格上に見えない準礼装を軸に選びます。40代・50代・60代で服を固定する必要はありません。立場に合う格を先に決め、動きやすさと本人の好みからドレス、スーツ、訪問着などを選びます。

判断の順番は「両家の母親の装い → 会場と時間帯 → 和装か洋装か → 具体的な一着」です。この順で決めれば、当日に親族間で格がそろわないという事態はほぼ防げます。最終的に何を着るかは、マナーの通説ではなく新郎新婦と両家の合意で決めてください。

親族ではなく一般の女性ゲストとして招かれた場合の選び方は結婚式お呼ばれの服装マナー(女性)完全ガイド、スーツやセットアップで参列してよいかの判断は結婚式の服装でやりがちなNG・タブー(女性)で扱っています。

結婚式に出席する叔母の服装早見表

叔母の装いは、年代よりも「会場の格」と「和装か洋装か」で決まります。ホテルや専門式場の挙式つき披露宴なら準礼装、レストランやゲストハウスなら準礼装のなかでも軽めの装いが基準になります。

年代ホテル・専門式場(挙式+披露宴)レストラン・ゲストハウス和装を選ぶ場合
40代袖のあるミモレ〜ロング丈ワンピース。ジャケットかボレロを重ねるセットアップ、ジャケット+ワイドパンツも可訪問着、または一つ紋・三つ紋の色留袖
50代レースやジャカードのロング丈ワンピース、アンサンブルジャケットドレス、パンツスタイル三つ紋の色留袖、訪問着
60代ジャケット+ワンピースのアンサンブル。丈は長めが安心同上。移動が多いなら低めヒール三つ紋の色留袖。着付けと移動の負担を確認
70代以上締めつけの少ないアンサンブル。羽織りものを一枚持つ同上。着席時間の長い席次を新郎新婦に相談洋装への切り替えも含めて検討

時間帯の目安もあわせて確認します。フォーマルは夕方17時から18時を境に、昼と夜で着分けます。昼の披露宴では光沢や露出を抑え、夜にかかる場合はアクセサリーで華やかさを足す、という切り替えで足ります。

40代・50代・60代の叔母の洋装

洋装の叔母は、袖のあるミモレ〜ロング丈のワンピースに、ジャケットかボレロを重ねる形が基準です。親族には当日に顔合わせや写真撮影の時間があるため、季節を問わずジャケットを羽織れる装いが扱いやすくなります。

年代で着るものが決まるわけではありません。以下は年代ごとに扱いやすい形をまとめたもので、体調、当日の移動と立ち時間、本人の好みのほうが優先されます。長時間の着席や挨拶回りがつらいと感じるなら、格を落とさずに楽な形へ替えるほうが結果的にきれいに見えます。

40代の叔母

40代は、会場に合わせて形を振りやすい年代です。ホテルや専門式場ならネイビーやボルドーのミモレ丈ワンピース、レストランやガーデンならセットアップやパンツスタイルまで、準礼装の範囲に無理なく収まります。

ホテルのロビーで、七分袖のシフォンが重なったネイビーのミモレ丈ワンピースに、パールのネックレスとベージュのパンプス、シャンパンゴールドのクラッチを合わせた女性の全身

40代・ホテルでの披露宴の装いのイメージ。袖のあるネイビーのミモレ丈に、明るい小物で全身が暗くなりすぎないよう調整しています。

レストランの入口前で、グレージュのノーカラージャケットに同色のワイドパンツとレースのトップスを合わせ、光沢のあるクラッチとベージュのパンプスを持った女性の全身

40代・レストランウェディングの装いのイメージ。パンツスタイルでも、素材に光沢のあるものを選ぶと通勤着の印象になりません。

50代の叔母

50代は、レースやジャカードなど素材で格を出す形が使いやすくなります。ロング丈のワンピース、ジャケットを重ねたアンサンブルのどちらでも、母親が正礼装の式に問題なく並びます。

ホテルの大理石のロビーで、レースの身頃と七分袖が付いたスモークブルーのロング丈ワンピースに、パールのネックレスとベージュのパンプスを合わせた女性の全身

50代・ホテルでの披露宴の装いのイメージ。落ち着いた色でも、レースの身頃と長めの丈で式にふさわしい華やかさを出しています。

緑に囲まれたガーデン会場の小道で、くすみピンクのシフォンワンピースに同色のジャケットを羽織り、ベージュのクラッチとパンプスを合わせた女性の全身

50代・ガーデン挙式の装いのイメージ。屋外の移動があるため、ヒールは低めで芝生でも歩ける形にしています。

60代以上の叔母

60代以上は、ジャケットとワンピースを組み合わせたアンサンブルが安定します。着席時間が長い、控室と会場の移動が多いといった条件があるなら、締めつけの少ない形と低めのヒールを優先してください。

ホテルのロビーで、ディープグリーンのプリーツワンピースにアイボリーのノーカラージャケットとコサージュ、パールのネックレスを合わせた女性の全身

60代・ホテルでの披露宴の装いのイメージ。濃色のワンピースに明るいジャケットを重ね、全身が暗い印象にならないようにしています。

レストランの窓辺で、ネイビーのシフォンブラウスと同色のワイドパンツを合わせ、コサージュとパールのネックレス、低めヒールの黒いパンプスを身につけた女性の全身

60代・レストランウェディングの装いのイメージ。ゆとりのあるシフォンのブラウスとワイドパンツで、長時間の着席でも負担が少ない形です。

叔母が訪問着・色留袖・黒留袖を選ぶ条件

叔母が和装を選ぶなら、三つ紋または一つ紋の色留袖か訪問着が基準です。黒留袖と五つ紋の色留袖は第一礼装にあたり、母親と同じ格になるため、両家で合意がある場合に限って選びます。

新郎新婦の姉妹・祖母・叔母など親族が着物で出席する場合は、正礼装または準礼装にするのが一般的なマナーです。つまり叔母の和装は、第一礼装まで上げなくても条件を満たします。

和風建築の廊下で、裾だけに花と流水の模様が入った薄紫の色留袖に、金地の袋帯と白い帯締め、末広と白い足袋を合わせた女性の全身

色留袖のイメージ。上半身に柄がなく、裾だけに模様が入るのが留袖の特徴です。

和風建築の廊下で、肩から裾へ花模様が続く水色の訪問着に、金糸の袋帯と白い帯揚げ、白い足袋と草履を合わせた女性の全身

訪問着のイメージ。肩から裾へ模様が続き、上半身にも柄が入る点が色留袖と異なります。

叔母が和装を選ぶ前に確認する条件

  1. 両家の母親が和装かどうか

    母親が黒留袖なら、叔母は三つ紋・一つ紋の色留袖か訪問着にすると格の逆転が起きません。母親が洋装の場合でも叔母が和装で問題ありませんが、写真での並びを気にするなら新郎新婦に一度確認します。

  2. 式の格式と会場

    ホテルや専門式場の挙式つき披露宴は色留袖が合います。レストランやゲストハウスの少人数の式では、訪問着のほうが会場の雰囲気に収まりやすくなります。

  3. 着付けとヘアセットの手配

    当日の着付け予約、会場入りの時刻、着替え場所の有無を先に押さえます。式場の美容室を使うか、外部で着付けてから移動するかで、起床時刻が1時間以上変わります。

  4. 当日の負担

    長時間の着席、階段の上り下り、受付や挨拶回りの有無を想定します。負担が大きいと判断したら、和装をやめて準礼装の洋装にしても格は下がりません。

  5. 両家と同じ立場の親族との足並み

    相手方の叔母が洋装で自分だけ色留袖、という状態は避けたいところです。新郎新婦を通じて、和装か洋装かだけでもそろえておくと当日の写真が落ち着きます。

着物のときのアクセサリーの扱いは洋装と異なります。詳しくは結婚式お呼ばれアクセサリーのマナーで確認してください。

パンツスーツ・ドレス・ジャケットの選び方

洋装は、ワンピース、ジャケットドレス(アンサンブル)、パンツスーツの3つから選びます。どれを選んでも格は保てます。違いは体への負担と、会場との相性です。

向いている場面選ぶときの注意点
ワンピース単体+羽織りホテル・専門式場の披露宴。挙式に参列する場合挙式では肩と腕を覆う。ノースリーブ1枚での参列は避ける
ジャケットドレス(アンサンブル)迷ったときの基準。親族の顔合わせや写真撮影が多い式上下の素材と色が合っているか。ジャケットを脱いだ状態も確認する
パンツスーツ・パンツドレスレストラン、ガーデン、移動や立ち時間が多い式生地に光沢のあるものを選び、通勤用スーツに見せない。神社や仏閣での挙式ではスカート・ワンピースが無難

50代・60代でも、パンツスーツは準礼装として選べます。ワイドパンツにブラウスとジャケットを合わせれば条件を満たします。整えるポイントは3つで、生地をサテンやジャカードなど礼装向けにすること、靴をパンプスにすること、バッグを通勤用ではなくパーティーバッグにすることです。

白い装花の前で、ネイビーのテーラードジャケットとワイドパンツにサテンのブラウス、ブローチとチェーン付きの黒いパーティーバッグを合わせた女性の全身

親族のパンツスーツのイメージ。インナーをサテンのブラウスに、バッグをチェーン付きのパーティーバッグに替えると通勤着の印象が消えます。

式場のロビーで、スモークブルーのレースワンピースに同色のノーカラージャケットを重ね、パールのネックレスとベージュのパンプス、サテンのクラッチを合わせた女性の全身

ジャケットドレスのイメージ。挙式では羽織り、披露宴では脱ぐという使い分けができます。

色の判断は一般ゲストと同じです。純白は花嫁の色なので招待客は避け、黒一色は喪服の印象になるためゴールドやパールのアクセサリーで華やかさを添えます。胸元や背中が大きく開いた服や、極端に短い丈も避けます。黒のワンピースやスーツを使う場合は、明るいバッグ、パールのネックレス、コサージュのいずれかを必ず足してください。

母・姉妹・祖母・いとことの格の違い

同じ親族でも、続柄によって基準は変わります。目安は「母親の格を超えない」ことで、それさえ守れば全員が同じ格である必要はありません。

親族女性の立場別・和装/洋装の目安

項目

和装の目安

洋装の目安

判断の軸

母親

黒留袖、または五つ紋の色留袖

アフタヌーンドレスなどの正礼装

主催者の正装。両家でそろえることを最優先にする

叔母

三つ紋・一つ紋の色留袖、訪問着

準礼装のロング丈ワンピース、アンサンブル、パンツスーツ

母親より格上に見せない。会場と移動の負担で和洋装を決める

姉妹(既婚)

色留袖、訪問着

準礼装のワンピース、アンサンブル

兄弟姉妹の結婚式では受付や送迎を任される場合があり、動きやすさも条件に入る

姉妹(未婚)

振袖、色留袖、訪問着

準礼装のワンピース、セットアップ

振袖は未婚女性の第一礼装。着る場合は母親と並ぶ写真を想定して色を決める

祖母

色留袖、訪問着

準礼装のアンサンブル

着付けと着席時間の負担を最優先に判断する

いとこ

訪問着(未婚なら振袖・色留袖も)

準礼装のワンピース、セットアップ

近い親族より一段控えめに。20代・30代なら洋装が選びやすい

同じ立場でも、式場の格式と両家の方針で変わります。最終判断は新郎新婦と両家の合意で決めてください。

兄弟や姉妹の結婚式に姉妹として出席する場合は、ゲストの案内や親の付き添いなど当日の役割が入ることを前提に選びます。長時間立つ、荷物を持つ、控室と会場を往復するといった動きがあるなら、和装より準礼装の洋装のほうが現実的です。

いとことして出席する場合は、叔母や姉妹より一段控えめにします。20代・30代のいとこは準礼装のワンピースやセットアップで十分で、和装にしなければ失礼にあたるということはありません。

親族としてのご祝儀の金額や包み方は親族のご祝儀マナーにまとめています。

黒留袖・色留袖・訪問着の格

和装は種類と紋の数で格が決まります。叔母が判断に迷うのは色留袖の紋の数なので、そこだけ押さえれば足ります。

種類着られる人結婚式での主な着用者
黒留袖第一礼装五つ紋既婚女性新郎新婦の母親
色留袖(五つ紋)第一礼装五つ紋既婚・未婚を問わない母親、両家で合意した近い親族
色留袖(三つ紋・一つ紋)準礼装三つ紋・一つ紋既婚・未婚を問わない叔母、姉妹、祖母
訪問着準礼装紋がなくても準礼装既婚・未婚を問わない叔母、いとこ、友人
振袖第一礼装紋の数の指定はない未婚女性姉妹、いとこ

フォーマル着物は、第一礼装(黒留袖、五つ紋の色留袖)、準礼装(三つ紋・一つ紋の色留袖、訪問着)、略礼装(色無地、江戸小紋)の3段階に分かれます。黒留袖は背中・両胸・両後袖に計五つの家紋が付く第一礼装で、色留袖は五つ紋なら黒留袖と同格、三つ紋・一つ紋なら準礼装です。

色留袖と訪問着の見分け方は柄の位置です。上半身に柄がなく裾だけに模様が入るのが色留袖、肩から裾へ模様が続くのが訪問着です。

洋装・スーツの正礼装・準礼装・略礼装

洋装は正礼装、準礼装、略礼装の3段階です。叔母が選ぶのは基本的に準礼装で、正礼装は母親の領域、略礼装は会費制のパーティーや二次会の領域と考えると整理できます。

昼の装い夜の装い和装の対応叔母が選ぶ場面
正礼装アフタヌーンドレスイブニングドレス黒留袖、五つ紋の色留袖母親が着る格。叔母は両家の合意がある場合のみ
準礼装袖のあるロング丈ワンピース、アンサンブル、セレモニースーツ光沢のある素材、ノーカラージャケット三つ紋・一つ紋の色留袖、訪問着挙式つき披露宴。叔母の基準になる格
略礼装セットアップ、ワンピース同左色無地、江戸小紋会費制の1.5次会、二次会

新郎新婦の両親のフォーマルウェアは主催者の正装(昼の正装)が基本で、母親はアフタヌーンドレスか黒留袖を選びます。フォーマルドレスメーカーの東京ソワールは、同社レンタルドレスの正礼装が黒留袖と同格になると案内しています(2026年7月23日確認)。洋装と和装のどちらを選んでも格は対応づけられるため、両家で和洋装が分かれること自体は問題になりません。

両家で格をそろえる確認方法

服装を決める前に、両家の母親の装いを確認します。連絡は新郎新婦を経由させるのが確実で、相手方の親族へ直接聞く必要はありません。

叔母が服装を決めるまでの確認手順

  1. 両家の母親の装いを新郎新婦に聞く

    和装か洋装か、和装なら黒留袖か色留袖かを確認します。ここが決まらないと叔母の格を決められません。

  2. 会場・時間帯・挙式の有無を確認する

    ホテルか、レストランか、ガーデンか。挙式に参列するか。終了時刻が17時から18時をまたぐかまで確認します。

  3. 和装か洋装かを同じ立場の親族とそろえる

    相手方の叔母と自分で和洋装が分かれないよう、新郎新婦を通じて方針だけ合わせます。同じ色や同じ形にする必要はありません。

  4. 決めた内容を新郎新婦へ戻す

    「色留袖(三つ紋)で参列します」のように具体的に伝えます。当日の集合写真や着付けの手配にも関わるため、決まった時点で共有します。

当日の集合時刻や会場の場所を親族へ案内するとき、口頭やメモでの伝達は行き違いが起きやすい部分です。会場名・住所・会場URL・開始時刻をまとめたWeb招待状のリンクを共有しておくと、確認したいときにいつでも同じ情報を見てもらえます。

叔母・親族女性の服装FAQ

出典

  1. [1]

    気になる! フォーマルルールとマナーについて

    株式会社東京ソワール(東京ソワール レンタルドレス) / 取得日: 2026-07-23

  2. [2]

    結婚式のマナー

    一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会 / 取得日: 2026-07-23

  3. [3]

    黒留袖の着用ルール基礎知識 結婚式で黒留袖を着る場合

    晴れ着の丸昌 横浜店 / 取得日: 2026-07-23

  4. [4]

    はじめてのフォーマル着物|留袖・訪問着の種類と違い完全ガイド

    京都着物レンタル夢館(ホサイ株式会社) / 取得日: 2026-07-23

  5. [5]

    色留袖レンタル|結婚式・式典に

    京都着物レンタル夢館(ホサイ株式会社) / 取得日: 2026-07-23