まず結論:黒ペン・婚姻前の氏・証人2名がそろえば受理される

婚姻届は、黒のボールペンか万年筆を使い「婚姻前の氏」で必要事項を記入し、夫か妻の本籍地または所在地の役所に提出します。用紙は役所の窓口でもらえるほか、多くの自治体はホームページからダウンロードでき、正式なサイズはA3です。提出に必要なものは、記入済みの婚姻届と、届出人の本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)です。

大きく変わったのが戸籍謄本の扱いです。2024年(令和6年)3月1日の戸籍法改正により、本籍地以外の役所に提出する場合でも、戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)の添付が原則不要になりました。あわせて、成年年齢の引き下げにより、証人は18歳以上であれば誰でも2名頼めます。

書き間違えたときは修正液を使わず二重線で訂正し、押印は2021年から任意です。提出先の役所は多くが24時間365日受け付けており、不備がなければ届出日がそのまま入籍日(婚姻日)になります。以下では、必要なものから記入項目、証人、訂正、提出、提出後の手続きまで順番に解説します。入籍までの段取り全体は結婚が決まったらすることをまとめた記事もあわせて確認してみてください。

婚姻届の提出に必要なもの【2026年版チェックリスト】

まずは提出当日に持っていくものを確認しましょう。婚約が整い、両家への婚約報告まで済んだら、次は婚姻届の準備です。2024年の戸籍法改正で持ち物が減ったため、古い情報のまま戸籍謄本を取りに行かないよう注意してください。

婚姻届の用紙と本人確認書類のカード、黒いボールペン、クリアファイルを白い机に並べて提出の準備をするイラスト。入籍前に必要なものをそろえる場面

必要なのは記入済みの婚姻届と本人確認書類。戸籍謄本は原則不要になった

  1. 婚姻届(1通)

    役所の窓口でもらうか、自治体のホームページからダウンロードします。書き損じに備えて2〜3通もらっておくと安心です。

  2. 届出人の本人確認書類

    運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど、顔写真付きのものが確実です。夫妻それぞれの分を用意します。

  3. 印鑑(任意)

    2021年9月から押印は任意になりました。押す場合は認印で構いません。ゴム印(いわゆるスタンプ印)は避けるのが一般的です。

  4. 戸籍謄本(原則不要)

    2024年3月の戸籍法改正で、本籍地以外に提出する場合でも添付が原則不要になりました。紙のまま残る一部の戸籍は例外です。

戸籍謄本がどう変わったのかを、改正の前後で比べると次のとおりです。以前は「本籍地以外の役所に出すなら戸籍謄本が必要」でしたが、いまは提出先の職員が本籍地の戸籍を確認できるため、原則として持参が不要になっています。

戸籍法改正で変わった戸籍謄本の扱い

項目

2024年3月1日より前

2024年3月1日以降(現在)

本籍地の役所に提出

戸籍謄本は不要

不要

本籍地以外の役所に提出

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)が必要

原則不要

遠方の本籍地の戸籍謄本の取得

本籍地の役所でしか取れない

最寄りの役所でも取得できる(広域交付)

なお、本籍が電子化されず紙のまま残っている一部の戸籍は、改正後も戸籍謄本の添付が必要な場合があります。自分の本籍がわからないときや、遠方に本籍があって不安なときは、提出予定の役所に事前に確認しておくと確実です。転入届や転居届を同時に出す場合は、住所変更の手続きに必要な書類も別途用意します。

婚姻届の書き方を項目別に解説

ここからは記入項目を、用紙の上から順に見ていきます。証人欄はあとで詳しく説明するので、まずは届出人(ふたり)が書く部分です。鉛筆や消えるインクのペンは使えないので、黒のボールペンか万年筆を用意してください。

婚姻届の用紙に黒のボールペンで記入していく手元のイラスト。婚約指輪をつけた左手で用紙を押さえ、一項目ずつていねいに書き進める入籍前の場面

記入は黒のボールペンか万年筆で。生年月日は和暦(昭和・平成など)で書く

  1. 届出年月日

    婚姻届を提出する日を書きます。この日が原則としてそのまま入籍日(婚姻日)になります。

  2. 氏名・生年月日

    ふたりとも「婚姻前の氏」で、楷書でていねいに記入します。生年月日は和暦(昭和・平成など)で書きます。

  3. 住所・世帯主

    住民登録している住所と世帯主を書きます。転入届や転居届を同時に出す場合は、新しい住所を記入します。

  4. 本籍・筆頭者

    現在の本籍と、戸籍の最初に記載されている筆頭者を書きます。わからないときは本籍記載ありの住民票で確認できます。

  5. 父母の氏名と続き柄

    血縁上の父母の現在の氏名を書きます。父母が婚姻中なら父欄に氏名、母欄は名のみでよく、続き柄は長男・長女が「長」、二男・二女が「二」、三男・三女以降は漢数字です。

  6. 婚姻後の夫婦の氏・新しい本籍

    夫の氏か妻の氏のどちらを名乗るかを選びます。選んだ人が現在の戸籍の筆頭者でない場合は、新しい本籍を記入します。

  7. 同居を始めたとき

    結婚式を挙げたときと同居を始めたときのうち、早いほうの年月を書きます。どちらもまだのときは空欄でかまいません。

  8. 初婚・再婚の別

    該当する欄にチェックします。再婚の場合は、前の結婚が死別か離別かと、その年月日を和暦で記入します。

  9. 夫妻の職業

    「世帯のおもな仕事」は6つの区分から選んでチェックします。具体的な職業を書く欄は、国勢調査が行われる年(次回は2030年・令和12年)のみ記入が必要です。

  10. 届出人署名・連絡先

    夫妻それぞれが自署します。押印は任意です。日中に連絡がつく電話番号も書いておくと、不備があったとき役所から連絡をもらえます。

迷いやすいのが「同居を始めたとき」と「職業」の欄です。同居も結婚式もこれからなら空欄で問題ありません。職業欄は国勢調査の年以外は具体的な記入が不要なので、空欄でも受理されます。不明な点は、記入前に提出先の役所へ電話で聞いておくと二度手間を防げます。

書き間違えたときの訂正方法

記入ミスは誰にでもあります。大切なのは、正しい直し方を知っておくことです。婚姻届は公的な書類なので、直し方にも決まりがあります。

具体的には、間違えた部分に定規で二重線を引き、その近くの空いているスペースに正しい内容を書きます。以前は訂正した箇所に訂正印を押す必要がありましたが、押印義務が廃止された2021年以降は、訂正印も欄外の捨印も不要になりました。訂正が多くて用紙が読みにくくなってしまったときは、書き直したほうがきれいに仕上がります。書き損じに備えて用紙を2〜3通もらっておくと、こうしたときに安心です。役所によっては窓口で訂正の相談にも乗ってくれるので、不安なときは無理に自分で直さず、提出時にたずねてみましょう。

証人欄の書き方と証人の頼み方

婚姻届には、ふたりの結婚を証明する成年の証人2名の署名が必要です。ここが空欄だと受理されないため、早めに依頼しておきましょう。

婚姻届の証人欄に署名してもらうため、両親や友人に用紙を渡して記入をお願いするイラスト。18歳以上の証人2名に、それぞれ直筆で氏名や住所を書いてもらう場面

証人は18歳以上なら誰でも2名。証人本人に直筆で書いてもらう

証人は、18歳以上でふたりの結婚を知っている人であれば、親でも兄弟姉妹でも、友人でも知人でも頼めます。夫婦に証人になってもらうこともできます。定番は両家の父親など「両家の代表」に頼むケースですが、決まりはないので、上司や親しい友人にお願いしても問題ありません。証人になったからといって、離婚や金銭トラブルの責任を問われることは一切ないので、その点も伝えて安心してもらいましょう。

  1. 証人に書いてもらう内容

    署名(氏名)・生年月日・住所・本籍の4項目です。いずれも証人本人が直筆で書く必要があり、代筆はできません。

  2. 押印は任意

    2021年から証人欄の押印も任意になりました。押す場合は認印で構いません。

  3. 頼むときのマナー

    直前に慌てて頼むと相手に負担がかかります。早めに口頭で依頼し、書いてもらったあとはお礼を伝えると丁寧です。

遠方の相手に頼む場合は、婚姻届を郵送して記入後に返送してもらう方法もあります。往復の時間がかかるので、入籍予定日から逆算して余裕をもって依頼してください。証人欄も届出人と同じく、間違えたら二重線で訂正します。

婚姻届の提出先と受付時間・入籍日の決め方

書類がそろったら提出です。提出先と受付時間には少しコツがあり、狙った日に入籍したいなら押さえておきたいポイントがあります。

記入し終えた婚姻届を役所の窓口に提出するカップルのイラスト。本人確認書類を添えて受付に渡し、届出日を入籍日として手続きを進める、笑顔のふたりの場面

提出先は夫か妻の本籍地または所在地。多くの役所は24時間受け付けている

提出できるのは、夫か妻の本籍地、または所在地の役所です。所在地には住所地のほか一時的な滞在先も含まれるため、新婚旅行先や思い出の街の役所に出すこともできます。多くの役所では、開庁時間外でも夜間・休日窓口で24時間365日受け付けています。

入籍日は、届出日がそのまま反映されます。ふたりの記念日、覚えやすいゾロ目や語呂のよい日など、好きな日に合わせて提出する人が多いです。ただし、時間外提出で書類に不備があると、後日修正して受理される日が入籍日になってしまうこともあります。どうしても外せない日があるなら、その日の開庁時間内に窓口で提出するのがもっとも確実です。

デザイン婚姻届やご当地婚姻届は提出できる?

ゼクシィの付録やご当地デザイン、キャラクター入りなど、デザイン婚姻届を使いたいカップルも増えています。結論から言うと、条件を満たせば多くは問題なく提出できます。

たとえばゼクシィが用意する婚姻届や自治体公認の「まちキュンご当地婚姻届」、スヌーピーなどのキャラクター入り、ブランドが配布するデザインの婚姻届でも、基本的に受理されます。ただし、次のような条件を満たしている必要があります。

  1. A3サイズであること

    婚姻届の正式なサイズはA3(297mm×420mm)です。他のサイズに変更すると受理されません。

  2. 記入枠にデザインがかからないこと

    氏名や本籍を書く枠内にイラストや色がかかっていると、記載事項が読み取りにくく受理されない場合があります。

  3. 文字の色やフォントを変えないこと

    他の公的届で使われる色の使用や、指定の文字サイズ・フォントの変更は認められないことがあります。

注意したいのは、自治体以外が発行したデザイン婚姻届は受理しない、という役所もある点です。せっかく用意したのに当日出せなかった、とならないよう、提出予定の役所へ事前に確認しておきましょう。デザイン婚姻届は手元に残せないので、記念にしたい場合は提出前にコピーを取っておくか、婚姻届受理証明書を発行してもらうのがおすすめです。

婚姻届を提出したあとにやること

婚姻届が受理されたら、姓や住所の変更にともなう手続きが続きます。優先順位をつけて進めると、あとの手続きがスムーズです。

  1. マイナンバーカード・住民票の更新

    氏名や住所が変わったら14日以内に手続きします。住民票への反映には数日かかることがあります。

  2. 運転免許証の氏名変更

    警察署や運転免許センターで変更します。更新後は本人確認書類として使えるので、早めに済ませると便利です。

  3. 銀行口座・クレジットカードなどの名義変更

    本人確認書類が新しい氏名になってから、金融機関や各種契約の名義を順に変更していきます。

  4. 勤務先への報告

    社会保険や税金にかかわるため、入籍後は早めに人事担当へ報告しましょう。

住民票が新しい姓に反映されるまでには7〜10日ほどかかることがあります。それより前に新しい姓の証明が必要になったときは、提出時に発行してもらえる婚姻届受理証明書が役立ちます。手続きが一段落したら、お世話になった人への入籍報告も忘れずに。カジュアルに伝えたいときは、入籍報告のLINE例文をまとめた記事がそのまま使えます。

よくある質問

まとめ:書き方の基本を押さえれば婚姻届はこわくない

婚姻届は、黒のボールペンで婚姻前の氏を書き、18歳以上の証人2名に署名してもらい、本籍地か所在地の役所に出せば受理されます。2024年3月の戸籍法改正で戸籍謄本の添付が原則不要になり、押印も任意になったことで、準備はぐっと手軽になりました。書き間違えても二重線で直せば大丈夫なので、まずは落ち着いて上から順に埋めていきましょう。

結納や顔合わせなど、入籍前後の段取りをまとめて把握したい方は、結納の準備をまとめた記事もあわせて参考にしてください。ふたりの新生活のスタートが、気持ちよく切れますように。

出典

  1. [1]

  2. [2]

  3. [3]

  4. [4]

  5. [5]

  6. [6]