まず結論:書く場所は「表書き(外袋)」と「中袋」の2つだけ
ご祝儀袋で文字を書く場所は、外袋の上に貼る「表書き(短冊)」と、お金を入れる「中袋(中包み)」の2か所だけです。表書きには上段に「寿」、下段に自分のフルネームを書きます。中袋には表の中央に金額、裏の左下に住所と氏名を書きます。書き分けが分かれば、見た目ほど難しくはありません。
準備するものは、金額に見合ったご祝儀袋・新札・濃い墨の筆ペン(または毛筆)の3つです。お札は新札を用意し、書くときはボールペンではなく筆ペンを使います。書き終えたら新札を入れ、暖色系か紫の袱紗(ふくさ)に包んで持参するのが基本の流れです。
下の手順表で全体像を確認してから、各パートの詳しい書き方を見ていきましょう。
ご祝儀袋を準備する手順
金額に合うご祝儀袋を選ぶ
水引が結び切りかあわじ結びのご祝儀袋を選びます。包む金額に格を合わせ、3万円なら一般的な紅白、5万円以上なら金銀の格上のものが目安です。
表書き(短冊)を書く
濃い墨の筆ペンで、上段に「寿」、下段に自分のフルネームを書きます。下段の名前は名目より少し小さめに、中央にそろえます。
中袋の表に金額を書く
中袋の表中央に、包んだ金額を旧字体(大字)で縦書きします。たとえば3万円は「金参萬円」と書きます。
中袋の裏に住所・氏名を書く
中袋の裏の左下に、郵便番号・住所・氏名を書きます。受け取った側が整理しやすいよう、省略せずに記入します。
新札を向きをそろえて入れる
新札の肖像(表)が袋の表側・取り出し口の方を向くようにそろえて入れます。複数枚あるときは全部の向きをそろえます。
袱紗に包んで持参する
完成したご祝儀袋を暖色系か紫の袱紗に包んで持参し、受付で取り出して両手で渡します。
表書き(外袋)の書き方|名目と名前
外袋の表書きは、上段(名目)と下段(贈り主の名前)の2段構成です。上段には「寿」と書くのが最も無難で、慶事全般に使えます。「御結婚御祝」も丁寧な表現として使えますが、「御結婚祝」のような4文字は縁起の面で避けるという説があるため、「寿」か「御結婚御祝」を選んでおくと安心です。
下段には、贈り主のフルネームを書きます。位置は中央で、上段の名目より少し小さめの文字にするとバランスが整います。市販のご祝儀袋には文字が印刷された短冊が付属していることもありますが、その場合も贈り主の名前は自分で書き加えます。
筆記具は、毛筆か筆ペンを使い、濃い墨で書くのがマナーです。薄墨は弔事用なので慶事では使いません。ボールペンや万年筆は略式とされ、ご祝儀袋には向きません。文字に自信がなくても、濃い墨の筆ペンで一字ずつ丁寧に書けば失礼にはあたりません。
中袋の書き方|金額・住所・氏名
中袋は、表の中央に金額、裏の左下に住所と氏名を書きます。金額は旧字体(大字)を使って縦書きにし、頭に「金」を付けます。代表的な書き方は、3万円が「金参萬円」、5万円が「金伍萬円」、10万円が「金拾萬円」です。「也(なり)」は端数がないことを示す表記で、10万円以上に付けるのが一般的とされ、3〜5万円では省略しても問題ありません。
裏面の左下には、郵便番号・住所・氏名を書きます。新郎新婦がご祝儀を整理する際に必要な情報なので、たとえ親しい間柄でも省略しないのが基本です。市販の中袋に金額や住所の記入欄が印刷されている場合は、その案内に従って記入します。横書きの欄であればアラビア数字を使ってかまいません。
中袋が付いていないタイプのご祝儀袋もあります。その場合は奉書紙や半紙(なければ無地のコピー用紙)でお札を中包みにし、金額と住所・氏名は省略せずに書き添えます。中袋の旧字体の一覧や中包みの折り方など詳しくはご祝儀の中袋の書き方で解説しています。
連名の書き方|夫婦・家族・有志一同
連名で包むときは、人数によって書き方が変わります。3名までは全員の氏名を書き、右から目上順(同格なら五十音順)に並べます。4名以上になると名前を並べきれないため、代表者のフルネームを中央に書き、その左に「○○一同」と添えます。全員の氏名・住所は別紙に目上順で書いて中袋に同封し、表書きには内訳を書きません。
夫婦で出席して連名にする場合は、中央に夫のフルネームを書き、その左に妻の名前(名字なし)を書くのが一般的です。夫婦そろってフルネームを並べるのは正式な書き方ではないため、妻は下の名前だけにします。別姓・事実婚・同性のカップルなど名字をそろえない場合は、両者のフルネームを並べ、新郎新婦と関係が深い方を右に書きます。
このあたりの並び順や別紙の書き方は迷いやすいポイントです。連名のパターン別の詳しい書き方はご祝儀の連名の書き方にまとめています。
お札の入れ方と袱紗・当日の渡し方
ご祝儀には新札(未使用のきれいなお札)を入れます。これは「お祝いを前もって準備していました」という気持ちを表すためです。入れる向きは、お札の肖像(表)が袋の表側・取り出し口の側を向くようにそろえます。複数枚を入れるときは、すべて同じ向きにそろえて重ねます。
持参するときは、ご祝儀袋をそのままバッグに入れるのではなく、袱紗(ふくさ)に包みます。慶事の袱紗は、赤・朱・エンジなどの暖色系か紫が適しています。寒色系は弔事用なので結婚式では使いません。
当日は受付で袱紗からご祝儀袋を取り出し、相手から見て表書きが正面になるように向きを整えて、両手で渡します。袱紗を持っていない場合は、白か暖色系のハンカチで代用することもできます。
ご祝儀袋の選び方は金額しだい
ご祝儀袋は、結婚祝い用に「のし」が付き、水引が結び切りかあわじ結びのものを選びます。これらは「一度きり」を意味する結び方で、何度あってもよい慶事に使う蝶結びは結婚祝いには使いません。
水引の色と本数は、紅白か金銀の10本が基本です。包む金額に格を合わせるのがポイントで、3万円程度なら一般的な紅白、5万円以上なら金銀の華やかなものが目安になります。100円ショップやコンビニのご祝儀袋でも問題ありませんが、それらは3万円以下に合う簡素なデザインが中心です。袋の選び方の基準はご祝儀袋の選び方で、関係性ごとの金額の目安はご祝儀の相場ガイドで確認できます。
よくある質問
書き方も新札の準備もまるごと省きたいときは
ここまでの書き方は、紙のご祝儀袋を用意することが前提です。最近は招待状の出欠回答とあわせて、ご祝儀を事前にオンラインで渡せる仕組みも広がっています。新札の準備も祝儀袋の用意や書き方も不要で、当日に祝儀袋を持ち歩く負担もありません。渡し方はオンラインご祝儀の始め方で解説しています。
出典
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