プロポーズ後は、まず自分の親へ自分から結婚の意思を伝え、その後に相手の親へ挨拶の日程を相談します。対面が難しければ電話で第一報を入れ、LINEは日程調整や電話前の連絡に使います。両家のどちらを先にするかは、距離と都合を含めて二人で決めて構いません。

親への第一報は、結婚の許可をもらうための手続きではありません。法務省の婚姻届の案内で必要とされているのは、届書と本人確認書類、成年の証人2名の署名で、父母の同意は挙げられていません。報告は、これから家族として関わる相手へ、いちばん早く状況を共有する場だと考えると迷いが減ります。

この記事では、報告の時期、どちらの親が先か、手段の使い分け、ケース別の切り出し文例、第一報から両家顔合わせまでの進め方を順に整理します。親族・友人・職場まで含めた婚約報告全体は婚約報告は誰に・いつ・どう伝える?、入籍や結婚式準備まで含めた全体像は結婚が決まったらすること一覧で扱っています。

プロポーズ後に親へ報告する時期

プロポーズを受けた(した)ら、友人やSNSより先に双方の親へ第一報を入れます。何日以内という決まりはなく、ふたりが結婚の意思を確認できた時点がいちばん早い目安です。

慣習としてよく挙げられるのは、プロポーズから1ヶ月ほどの間に双方の親へ挨拶し、そこから3ヶ月ほどで両家顔合わせを設定する流れです。ただしこれは段取りの目安であって、守らないと失礼になる公的な決まりではありません。仕事の繁忙期、帰省のタイミング、親の体調で前後して構いません。

日数より先に決めておきたいのは、両家で時期をそろえることです。片方の親だけが早く知り、もう片方が人づてに後から知る状態になると、そのあとの挨拶や顔合わせに気まずさが残ります。第一報を入れる週をふたりで合わせておくと、この行き違いを防げます。

プロポーズ前に親へ伝えてもよいか

プロポーズ前に伝えても問題ありません。判断の基準は、親から出る質問に今のふたりが答えられるかどうかです。「いつ入籍するのか」「式は挙げるのか」に何も答えられない段階で伝えると、親は状況をつかめず不安になりやすくなります。

一方、親と同居している、相手がすでに家族と面識がある、指輪や新居について親に相談したい、といった事情があるなら、プロポーズ前に「結婚を考えている人がいる」と伝えておくほうが自然です。その場合も、プロポーズが済んだ時点で改めて第一報を入れ、挨拶の日程相談まで進めます。

どちらの親へ先に伝えるか

どちらの親を先にするかに、公的な決まりはありません。距離、休みの取りやすさ、親の体調を見て、ふたりが動きやすい順に決めて構いません。

「女性側の親から先に」という順番が慣習として語られることがあります。これは結婚を家と家の取り決めとして扱っていた時代の考え方が背景にあり、いまの婚姻の手続きとは切り離して考えられます。順番は、どちらの親も置き去りにしないための段取りであって、家の優劣を示すものではありません。

実務で効くのは、順番そのものより次の3点です。両家のどちらかに順番のしきたりがあるなら事前にパートナーへ共有すること、第一報を入れる時期をふたりで合わせること、そして先に報告した側の親から「相手のご両親にはもう伝えたのか」と聞かれたときに答えられる状態にしておくことです。

親が遠方に住んでいて訪問の負担が偏る場合は、会いやすいほうの親から先に挨拶し、もう一方へは同じ時期に電話で第一報を入れておくと、順番の差が扱いの差として受け取られにくくなります。

対面・電話・LINEの使い分け

第一報は対面か電話、日程調整はLINEという分け方が現実的です。相手の親への第一報をLINEだけで完結させるのは避けます。

親への第一報:手段別の向き不向き

項目

向いている場面

注意したいこと

対面

同居・近居の親への第一報。再婚や子どもがいるなど、経緯の説明が必要なとき

日程が合うまで待つと報告が遅れる。会える日が先なら電話を先に入れる

電話

遠方の親への第一報。会える日がすぐに取れないとき

相手が落ち着いて話せる時間帯を選ぶ。用件だけ伝えて切らない

ビデオ通話

遠方でも顔を見せて伝えたいとき。画面越しに相手を紹介したいとき

親が操作に慣れているか事前に確かめ、つながらない場合の電話も用意する

LINE・メッセージ

電話の予告、挨拶の日程調整、当日の集合場所や地図の共有

相手の親への第一報を任せない。結婚の経緯を長文で説明しない

手段に公的な決まりはありません。親の生活リズムとスマートフォンの使い方に合わせて選びます。

遠方や仕事の都合で当面会えないなら、電話で第一報を入れ、後日あらためて挨拶にうかがう形で構いません。「まず声で伝え、日程はメッセージで詰める」と決めておくと、連絡が途中で止まりません。

自分の親とのやり取りがふだんメッセージ中心なら、LINEで先に一言入れる形でも構いません。その場合も同じ日のうちに電話か対面で話す時間を作り、日程の相談まで済ませます。相手の親への第一報は、パートナーが自分の親へ伝えたあとに、電話で挨拶を申し込むのが基本の順序です。

友人や職場への結婚報告をLINEで送るときの文面は結婚報告をLINEで伝える相手別の文例にまとめています。

自分の親への切り出し方

自分の親には自分から伝えます。パートナーに代弁してもらわず、次の4点を一度の会話で伝えるのが基本形です。

ケース別・自分の親への切り出し文例

  1. 対面で伝えるとき

    「今日は報告があって来ました。お付き合いしている〇〇さんからプロポーズを受けて、結婚したいと思っています。近いうちに会ってほしいので、都合のいい日を相談させてください」

  2. 遠方で電話・ビデオ通話になるとき

    「急にごめんね、大事な報告があって。〇〇さんからプロポーズを受けて、結婚したいと思っています。落ち着いたらふたりで挨拶にうかがいたいので、来月あたりで都合のいい日を教えてほしい」

  3. 再婚や子どもがいるとき

    「〇〇さんと結婚したいと思っています。〇〇さんには前の結婚とお子さんのことがあって、そのうえで一緒に生きていこうと決めました。事情も含めて話したいので、時間をとってもらえますか」

  4. 反対が予想されるとき

    「結婚したい人がいます。今日は許可をもらいに来たというより、まず知っておいてほしくて話しています。心配なことがあれば聞かせてほしいし、今日で結論を出さなくて大丈夫です」

プロポーズされた側が自分の親へ伝えるとき

プロポーズされた側も、報告する相手は自分の親です。パートナーから伝えてもらう形にすると、親は本人の意思なのかを確かめられません。「プロポーズを受けて、自分も結婚したいと思っている」と、受けた事実と自分の意思をセットで伝えます。

指輪を受け取っているなら、その場で見せると話が具体的になります。相手の仕事、住まい、出会い方など、親が聞きたがる情報を先にひと通り話しておくと、質問攻めになりにくくなります。

男性から自分の親へ伝えるとき

男性が自分の親へ伝えるときも、内容と順番は同じです。「プロポーズをして受けてもらった」「結婚したい」「会ってほしい」「日程を相談したい」を自分の言葉で伝えます。

避けたいのは、自分の親への報告を後回しにして、先に相手の親へ挨拶に行く段取りです。相手の親から「ご両親はご存じですか」と聞かれる場面は多く、まだ話していないと答えると、その場で話が止まってしまいます。

文例はそのまま使う必要はありません。改まった報告だと伝わる切り出しにすること、そして「会ってほしい」「日程を相談したい」まで一度の会話で伝えることが押さえどころです。

相手の親へ挨拶を申し込む文例

相手の親へ連絡するのは、パートナーが自分の親へ第一報を済ませたあとです。順番を飛ばすと、親は聞いていない話を本人以外から知ることになり、最初の印象がつまずきます。

相手の親へ挨拶を申し込む文例

  1. 本人から電話で申し込むとき

    「〇〇さんとお付き合いしている△△と申します。〇〇さんと結婚を前提に考えており、一度ご挨拶にうかがいたくご連絡しました。ご都合のよい日を教えていただけますでしょうか」

  2. パートナー経由で日程を相談するとき

    「先日プロポーズを受けた件で、〇〇さんがご挨拶にうかがいたいと言っています。来月の土日で、ご都合のよい日を教えてもらえますか。時間帯の希望があれば合わせます」

訪問日は相手の都合を優先して決め、決まったら手土産と服装を整えます。当日の流れ、手土産の目安、会話で気をつけることは結婚挨拶と両家顔合わせの流れ・マナーで解説しています。

親が結婚相手を知らない場合

親が相手を知らない場合は、結婚の話から入らず、相手がどんな人かを先に共有します。人物像が分からないまま結婚だけを伝えると、親は判断する材料がなく身構えてしまいます。

親の認知度第一報での伝え方次にすること
存在も知らない交際していること、相手の年齢・仕事・住まいといった基本の情報から話し、そのうえでプロポーズを受けた(した)ことを伝える写真を見せ、会う日を早めに設定する
名前や仕事だけ知っているすでに話した内容を確かめながら、結婚したい意思と会ってほしいことを伝える人柄が伝わるエピソードを補い、日程を相談する
面識がある「前に会ってもらった〇〇さんと結婚したい」と、これまでの関係の延長として伝える改まった挨拶の日程をすぐに調整する

初対面の場を作るときは、いきなり自宅へ招くより、外食など短時間で切り上げられる場から始めると双方の負担が軽くなります。親が相手の家族構成や住まいの予定を気にする場合は、第一報の段階でふたりの答えをそろえておくと、その場で言葉に詰まりません。

反対が出たときは、その日のうちに結論を求めないことです。一度で説得しようとせず、日を分けて複数回話す前提で臨むと、感情的なやり取りになりにくくなります。

第一報から顔合わせまでの進め方

第一報のあとは、それぞれの親への挨拶を先に済ませ、最後に両家の顔合わせを設定します。いきなり両家を引き合わせると、当日の話題も段取りも決まらないまま進むことになります。

第一報から両家顔合わせまでの流れ

  1. ふたりで第一報の時期と順番を決める

    誰にいつ伝えるか、どちらの親を先にするか、手段は対面か電話かをすり合わせます。両家で時期をそろえると行き違いが起きません。

  2. それぞれが自分の親へ第一報を入れる

    自分の親には自分で伝えます。内容は、プロポーズの事実、結婚したい意思、会ってほしいこと、日程を相談したいことの4点です。

  3. 親の情報をふたりで共有する

    親の人柄、呼び方、出身地、しきたりの有無、触れないほうがよい話題を互いに伝えます。挨拶当日の配慮はここで決まります。

  4. それぞれの親へ挨拶にうかがう

    訪問日は相手の都合を優先して決め、手土産と服装を整えます。訪問後はその日のうちにお礼の連絡を入れます。

  5. 両家顔合わせの日程を決める

    双方の挨拶が済んでから、両家がそろう食事会を設定します。日程、場所、参加者、費用の分担を先に決めておくと当日に迷いません。

各ステップの間隔に決まりはありません。第一報から挨拶までは、双方の休みが合う最初のタイミングを取るのが現実的です。顔合わせの日時や会場、地図、出欠の確認をまとめて案内したい場合は、顔合わせの案内をWeb招待状で送る方法で送り方と文例を確認できます。

親への報告FAQ

プロポーズ前に親へ報告してもよいですか?
問題ありません。判断の基準は、親から出る質問に今のふたりが答えられるかどうかです。入籍時期や式の有無に何も答えられない段階だと、親は状況をつかめず不安になりやすくなります。同居している、相手がすでに家族と面識がある、新居や指輪を親に相談したいといった事情があれば、プロポーズ前に「結婚を考えている人がいる」と伝えておくほうが自然です。
親への報告はLINEだけで済ませてもよいですか?
自分の親とのやり取りがふだんメッセージ中心なら、LINEで先に一言入れる形でも構いません。ただしその日のうちに電話か対面で話し、挨拶の日程相談まで済ませます。相手の親への第一報をLINEだけで終えるのは避けてください。LINEは、電話の予告、日程調整、当日の集合場所や地図の共有に向いています。
親が遠方に住んでいて、すぐに会えません。どうすればよいですか?
電話またはビデオ通話で第一報を入れ、後日あらためて挨拶にうかがう形で構いません。会える日を待って報告が遅れるより、先に声で伝えるほうが行き違いを防げます。ビデオ通話を使う場合は、親が操作に慣れているかを事前に確かめ、つながらないときに切り替える電話も用意しておくと安心です。
親が結婚に反対しそうです。どう伝えればよいですか?
できるだけ対面かビデオ通話で、その日に結論を求めない前提で伝えます。「今日は許可をもらいに来たのではなく、まず知っておいてほしい」と切り出し、心配していることを聞く時間を取ります。日を分けて複数回話すほうが、感情的なやり取りになりにくくなります。なお、成人同士の婚姻届に父母の同意は必要とされていないため、期限を切って結論を迫る必要はありません。

出典

  1. [1]

    婚姻届

    法務省 / 取得日: 2026-07-23

  2. [2]

  3. [3]

    民法(成年年齢関係)改正Q&A

    法務省 / 取得日: 2026-07-23