フォトウェディングのご祝儀をめぐる結論
結婚式や披露宴を行わずフォトウェディングだけで結婚を形にする人は増えています。挙式も披露宴も食事会も行わず「写真撮影のみ」を実施した割合は全体の約16%にのぼるとされており、式なし婚は特別な選択ではなくなりつつあります。式がない以上、ご祝儀をどう扱うかは贈る側・もらう側ともに明確なルールがなく、迷いやすい論点です。
整理すると次の3点に集約されます。第一に、贈る側の相場は「結婚式に招かれていない場合のお祝い」と同じ枠で考え、現金なら1万円前後が一つの目安です。第二に、もらう側は受け取ったお祝いの半額から3分の1程度を内祝いとして返すのが通例で、ご祝儀を「受け取らない」選択も失礼にはあたりません。第三に、後日食事会を開く予定があるなら、ご祝儀と会費の二重負担を相手にかけないよう、辞退の意思を先に伝えておくのが最もトラブルになりにくい進め方です。
本記事では贈る側・もらう側の双方の立場を分け、辞退を伝える際の相手別の文例まで具体的に示します。金額の正解を探すより、相手との貸し借りの関係をどう清算するかという視点で読むと判断しやすくなります。
贈る側の相場 — 「式なし」のお祝いの考え方
フォトウェディングのみで結婚した相手にお祝いを渡したいとき、金額の出発点は「結婚式に招かれていない場合の結婚祝い」です。一般に現金なら1万円前後、品物で贈るなら5千〜1万円相当が目安とされます。披露宴に出席する場合のご祝儀(友人なら3万円が中心)とは枠が異なり、もてなしを受けていない分、金額も控えめになります。
ただし実際の判断軸は相場表だけではありません。多くの人が無意識に参照しているのは「過去に自分がその相手から、または相手に、いくら包んだか」という貸し借りの記録です。Yahoo!知恵袋などでも、自分の結婚時にご祝儀をもらった相手には同額を返したい、という相談が複数見られます。相場で迷ったら、まず過去のやり取りを思い出すのが現実的です。
なかには現金を避け、新生活で使える品物やカタログギフトを選ぶ人もいます。相手が辞退の意向を示している場合でも、消えものの贈り物(お菓子・飲み物)なら受け取ってもらいやすく、関係性を保ちながら気持ちを伝えられます。結婚祝いの相場や品物選びは 式を挙げない結婚祝いの考え方 も参考になります。
もらう側の作法 — お返しと「受け取らない」選択
もらう側で最初に押さえたいのは、お祝いをいただいたら必ずお返し(内祝い)をするという原則です。金額は受け取った額の半額から3分の1程度が目安で、これは式の有無に関係なく共通です。式を挙げていないと「お返しの場(引き出物)」がないため、後日あらためて内祝いを贈ることになります。
一方で、ご祝儀を受け取らないという選択も十分に成立します。式に招いていない相手から高額のお祝いを受け取ると、お返しの負担が双方に発生します。特にこれから食事会を開く予定がある場合は、会費とご祝儀で相手に二重の負担がかかるため、受け取り方を事前に整理しておくことが大切です。
ご祝儀をめぐる3つの設計と向き不向き
受け取る
- 内祝いの手間
半額〜1/3を後日返す
- 相手の負担
お祝い1回
- 二重取りの懸念
食事会と重なると発生
- 向いている相手
過去に自分が包んだ相手
辞退する
- 内祝いの手間
不要
- 相手の負担
なし
- 二重取りの懸念
なし
- 向いている相手
広く声をかける友人
会費でまとめる
- 内祝いの手間
不要(食事でもてなす)
- 相手の負担
会費のみ
- 二重取りの懸念
なし
- 向いている相手
食事会に招く身内・友人
どの設計でも「先に意向を伝える」ことが揉めない共通点です。
実際の判断で多くの人が使っているのは「貸し借り台帳」の感覚です。過去に自分がその相手に包んだ相手からは同額まで受け取り、内祝いで返す。それ以外の相手からは、結婚報告のタイミングで辞退を一言添える。この線引きにしておくと、相手ごとに対応がぶれず、後から気まずくなりません。
会食・食事会との関係 — 二重取りを避ける
フォトウェディングのあとに食事会を開くケースは珍しくありません。写真と会食をセットで考える人は一定数おり、式の代わりに少人数の食事の場を設けるスタイルは定着しています。このとき問題になるのが、ご祝儀と会費の二重負担です。
設計の基本は、お祝いを「会費に含める」か「別々に扱う」かを最初に決めることです。会費制の食事会にする場合、会費でもてなしの費用をまかなう代わりに、ご祝儀は辞退するのが自然です。逆にご祝儀を受け取るなら、食事会は新郎新婦側がもてなす(会費を取らない)形にすると、相手の負担が一度で済みます。両方を取ると「二重取り」と受け取られかねません。
食事会の招待・出欠確認・会費の集め方を含めた段取りは フォトウェディングと食事会の進め方 で詳しく解説しています。会費制にするか、もてなしにするかは、招く相手の顔ぶれと予算から先に決めておきましょう。
辞退をスマートに伝える文例
お祝いを辞退する場合、最も自然なのは結婚報告と同じタイミングで一文を添えることです。報告を受けてから相手が「お祝いをどうしよう」と動き出す前に伝えるのがポイントで、後出しの辞退は相手にすでに準備させてしまう可能性があります。報告そのものの順番や媒体は 結婚式をしない人の結婚報告ガイド も参考にしてください。
以下は相手別の文例です。そのまま、または一部を変えて使えます。
お祝い辞退の文例(相手別)
友人へ(LINE・カジュアル)
「私たち結婚しました。式は挙げず写真だけ撮ったので、お祝いは気持ちだけで本当に十分です。落ち着いたらごはんでもいこうね」と、辞退と次の約束をセットにすると角が立ちません。
親戚・目上の方へ(改まった連絡)
「このたび入籍いたしました。式は行わず写真撮影のみとしましたので、お心遣いはどうぞお気遣いなさらないでください。近いうちにあらためてご挨拶にうかがいます」と、辞退の理由(式をしていない)を添えると伝わりやすくなります。
食事会に招く相手へ(事前明言)
「後日ささやかな食事会を予定しています。当日のお食事は私たちでご用意しますので、お祝いやお気遣いはなさらないでください」と、会費・ご祝儀のいずれも不要であることを先に明示すると二重負担を防げます。
会費制の食事会の相手へ
「食事会は会費制(◯◯円)とさせていただきます。会費にお祝いの気持ちも含めていただければ十分ですので、別途のご祝儀はご遠慮ください」と、会費=お祝いと位置づけると分かりやすくなります。
辞退しても受け取ってほしいと相手が重ねて言う場合は、無理に断り続けず受け取り、後日きちんと内祝いで返すのが大人の対応です。辞退はあくまで相手の負担を減らすための配慮であり、押し問答にするものではありません。
オンラインでお祝いを受け取るという選択
遠方の相手や、現金を直接渡しにくい関係では、お祝いをオンラインで受け取れる仕組みを使う人も増えています。式を挙げない場合は受付やご祝儀袋を手渡しする場がないため、相手が送りやすい方法を用意しておくと親切です。
WedLink では、Web招待状やお知らせページからオンラインでお祝いを受け取ることもできます。相手はアプリ不要でキャッシュレス決済が使え、もらう側は誰からいくら届いたかを一覧で管理できます。辞退を基本にしつつ、それでも送りたいという相手にだけ案内する、という使い分けも可能です。ご祝儀そのものの相場感は ご祝儀の相場 もあわせてご覧ください。