まず結論:顔合わせ食事会は約7割が選ぶ、両家の初顔合わせの食事の席
顔合わせ食事会は、婚約後に両家の家族が初めて一堂に会し、食事をしながら親睦を深める席です。かつて主流だった結納(ゆいのう)に代わり、近年は約7割のカップルが結納をせず顔合わせ食事会のみを行っています(ハナユメ調査)。堅苦しい儀式ではなく、両家が「これからよろしくお願いします」と挨拶を交わす場と考えると、準備の全体像が見えてきます。
費用の全国平均は約9万9000円、料理と飲物は一人あたり1万〜1万5000円が目安です(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)。支払いは6割超のカップルがふたりで負担しています。当日は「始まりの挨拶→家族紹介→婚約記念品のお披露目→乾杯・食事と歓談→締めの挨拶」という流れで進み、所要時間は2時間半〜3時間ほどです。
本記事では、お店選びの基準、費用と支払い、当日の進行と挨拶文例、服装の格合わせ、手土産としおりまで、初めてでも迷わない段取りを順番に解説します。顔合わせより前に済ませる両家への結婚挨拶の段取りは結婚挨拶と両家顔合わせの流れをまとめた記事で確認できます。
顔合わせ食事会とは?結納との違いと最近の傾向
顔合わせ食事会と結納は、どちらも婚約後に両家が関わる行事ですが、性格が大きく異なります。結納は結納金や結納品を取り交わし、婚約を正式に約束する伝統的な儀式です。一方の顔合わせ食事会は契約や儀式の意味を持たず、両家が食事をしながら打ち解けることを目的とした、比較的自由な会です。
近年は結納を省き、顔合わせ食事会だけを行うカップルが多数派になっています。Yahoo!知恵袋や発言小町でも「結納は形式ばっていて負担が大きい」「両家が遠方で正式な結納は集まりにくい」といった声が目立ち、費用や手間を抑えて和やかに済ませたいという相談が近年増えています。会場も料亭に限らず、落ち着いたレストランを選んでカジュアルにまとめる人が増えているのが実態です。結納そのものの作法や結納金の相場を知りたい場合は結納の意味と最近の事情をまとめた記事を参考にしてください。
結納と顔合わせ食事会の違い
項目 | 結納 | 顔合わせ食事会 |
|---|---|---|
位置づけ | 婚約を正式に取り交わす儀式 | 両家が親睦を深める食事会 |
形式 | 口上や結納品の飾りなど作法がある | 決まった形式はなく自由度が高い |
費用の中心 | 結納金や結納品が別途必要 | 食事代が中心で全国平均約9万9000円 |
実施する人 | 近年は少数派 | 約7割が選ぶ多数派 |
準備の負担 | しきたりの確認が必要で大きめ | お店選びと進行を決める程度 |
どちらを選ぶか迷ったら、両家の親の考えを先に聞いておくと安心です。片方の家が結納を望んでいるのに一方的に食事会だけにすると、しこりが残ることがあります。「結納はせず食事会でご挨拶を」という方針をふたりから両家に伝え、了承を得てから店探しに進むのがおすすめです。
準備の進め方とお店選びの基準

お店選びは日取り・場所・料金帯を両家に確認しながらふたりが主体で進める
顔合わせ食事会は、婚約後から結婚式のおよそ6か月前までに開くカップルが多く、遅くとも3か月前までには済ませておくと、その後の式準備と重なりません。準備はふたりが主体で進めますが、地域のしきたりや親の意向があるため、日取りとお店は両家に確認しながら決めるとトラブルになりにくくなります。会場は料亭が42.9%、レストランが30.5%、ホテルが14.9%の順で選ばれています(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)。
お店を選ぶときは、次の5つを基準にすると外しません。日程と場所が両家で固まったら、口頭やメッセージだけでなく、日時・会場・地図をまとめた案内を送っておくと当日の行き違いを防げます。Web招待状の仕組みを使えば顔合わせの案内も手軽に共有でき、顔合わせの案内をWeb招待状で送る方法をまとめた記事で具体的な手順を紹介しています。
個室を予約する
両家だけで落ち着いて話せるよう、半個室ではなく完全な個室を選びます。周囲を気にせず自己紹介や記念品の交換ができます。
コース料理にする
大皿料理や鍋など取り分けが必要なメニューは避け、一人ずつ提供されるコースが安心。会話に集中でき、支払いも明朗です。
両家の中間地点・アクセス重視
住まいが離れている場合は中間地点や主要駅の近くを選び、双方の移動負担が偏らないようにします。親の年齢に配慮し、駅から近い会場が無難です。
料金帯を先に決める
料理と飲物で一人1万〜1万5000円が目安。個室料やサービス料が別途かかる店もあるため、総額を予約時に確認します。
慶事の対応に慣れた店を選ぶ
顔合わせや結納の実績がある会場なら、進行やお祝いの席の配慮に慣れています。予約時に「両家の顔合わせで利用する」と伝えておきます。
費用相場と誰が払うか
顔合わせ食事会の費用は、料理と飲物を合わせて全国平均で約9万9000円、一人あたりでは1万〜1万5000円が目安です(ゼクシィ結婚トレンド調査2024)。参加人数は両家の親とふたりの計6名前後が一般的で、この場合の総額は10万円前後を見込んでおくと安心です。兄弟姉妹や祖父母が加わると、その分費用は上がります。
支払いは、6割超のカップルがふたりで負担しています。「両家を招待する」という考え方が広がり、かつて多かった両家折半よりも、ふたり負担が主流になりました。支払いのタイミングは、料理が出そろった会の終盤に、どちらかがさりげなく席を立って済ませるのがスマートです。誰が払うかは当日に迷わないよう、両家へ事前に伝えておきます。
食事代のほかにかかりやすい費用も、あらかじめ見積もっておきましょう。
手土産
両家に渡す手土産は一家庭あたり3000〜5000円が目安。両家で金額の格をそろえておくと後味がよくなります。
交通費・宿泊費
遠方から親が来る場合の交通費や宿泊費。誰が負担するかは、招く側が持つケースが多いものの、事前の相談で決めます。
衣裳・ヘアメイク
当日の服装を新調したり、母親が美容院を利用したりする場合の費用。人によって差が出やすい項目です。
婚約記念品
婚約指輪や時計などを当日お披露目する場合の費用。用意しないカップルも多く、必須ではありません。
当日の流れと進行

当日はふたりが進行役。始まりと締めの挨拶で会を区切ると流れがつくりやすい
顔合わせ食事会には決まった台本はありませんが、次の流れを押さえておくと自然に進みます。進行役はふたりが務め、両家の会話が途切れないよう間をつなぐのが役割です。所要時間は2時間半〜3時間を目安に、料理のペースに合わせて進めます。
当日の流れ6ステップ
入室・着席
約束の時間の少し前に集合し、席順にしたがって着席します。上座に両家の父親、下座の入口近くにふたりが座るのが基本です。
始まりの挨拶
新郎か新郎の父が、集まってくれたお礼と会の主旨を短く述べます。かしこまりすぎず、和やかな雰囲気づくりを意識します。
家族紹介
ふたりがそれぞれの家族を紹介します。父・母・兄弟姉妹の順で、氏名と簡単なひとことを添えると場が和みます。しおりがあると進めやすくなります。
婚約記念品のお披露目
婚約指輪などを用意している場合は、このタイミングでお披露目します。用意しない場合は省いて構いません。
乾杯・食事と歓談
乾杯の音頭で食事を始め、歓談に移ります。ここが会の中心。趣味や出身地など、両家が話しやすい話題をふたりが振ります。
締めの挨拶
会の終わりに、新郎か新郎の父がお礼と今後の予定を述べて締めます。支払いは歓談の終盤に済ませておくとスマートです。
挨拶・乾杯の言葉の文例
挨拶は長さより誠実さが大切です。緊張してもかまいませんが、お礼と主旨が伝わればじゅうぶんです。以下の文例は、婚礼の席にふさわしく、忌み言葉を避けた形にしています。名前や予定の部分は自分たちの言葉に置き換えてください。
家族紹介では、ふたりが橋渡し役になり、「父の〇〇です 釣りが趣味で休日はよく出かけています」のように、ひとこと添えると会話が広がります。乾杯は、新郎の父かふたりのどちらかが音頭を取るのが一般的です。誰がどの挨拶をするかは、当日に譲り合って気まずくならないよう、事前に役割を決めておきましょう。
服装は両家で格をそろえる
服装でもっとも大切なのは、両家でフォーマル度の格をそろえることです。片方がきちんとしたスーツ、もう片方がカジュアルな普段着では、双方が居心地の悪い思いをします。会場の格に合わせつつ、両家で相談して服装のレベルを合わせておきましょう。間に立って調整するのは、基本的にふたりの役割です。
立場ごとの目安は次のとおりです。男性(新郎・父親)は、ネイビーやグレーの落ち着いたスーツが基本です。女性(新婦)は、上品なワンピースやセットアップが定番で、会場が料亭なら和装を選ぶ人もいます。母親は、洋装ならワンピースやアンサンブルにジャケットを合わせ、和装なら色無地や付け下げなど、かしこまりすぎない装いが好まれます。母親は新婦より目立たないよう、控えめで上品にまとめるのがポイントです。露出は控え、清潔感を第一に選びましょう。
手土産の相場と選び方

手土産は一家庭3000〜5000円が目安。両家で金額の格をそろえておく
手土産は必須ではありませんが、初対面のあいさつとして両家で用意すると印象がよくなります。相場は一家庭あたり3000〜5000円ほど。金額の格が両家でそろっていると、後で気まずくなりません。事前にふたりが間に入り、「手土産はお互い3000〜5000円くらいで」とすり合わせておくとスムーズです。
品物は、日持ちする焼き菓子の詰め合わせや、地元の銘菓など、相手の家族構成や好みに合うものが喜ばれます。切り分けが必要な生菓子より、個包装で分けやすいものが無難です。のしは「寿」や「御挨拶」を表書きにし、渡すのは会の最初か、着席して落ち着いたタイミングが自然です。相手の家の近くで慌てて買うのは避け、自分の地元や思い入れのある品を選ぶと、会話のきっかけにもなります。
しおりの作り方と項目

しおりは進行表を兼ねた小冊子。家族紹介ページが会話の糸口になる
しおりは、当日の流れやプロフィール、家族紹介をまとめた小冊子です。ゼクシィの卒花調査では、しおりを「用意した」人は35%で、多数派は用意していません。それでも作る人がいるのは、初対面で会話が続くか不安なとき、しおりのプロフィールや家族紹介が自然な糸口になるからです。進行表を兼ねるため、司会のいない食事会でも流れがつくりやすくなります。
盛り込む項目に決まりはありませんが、次の内容がよく入ります。無料のテンプレートを配布しているサービスも多く、PowerPointやWord、Canvaなどで作って印刷すれば、半日ほどで用意できます。
表紙(タイトル・日付・会場)
ふたりの名前と顔合わせの日付、会場名を入れます。記念として手元に残る一枚になります。
ふたりからの挨拶
集まってくれたお礼と、会への思いを短く。冒頭の口上を兼ねられます。
当日のスケジュール
始まりの挨拶から締めまでの進行を記載。参加者が流れを把握でき、進行役の負担も減ります。
プロフィール
氏名・生年月日・出身地・仕事・趣味など。共通点が見つかると会話が弾みます。
家族紹介・家系図
両家の家族を家系図の形にすると関係性が一目でわかり、名前と顔が一致しやすくなります。
今後の予定・両家の連絡先
入籍や結婚式の予定、両家の連絡先を載せておくと、その後の連絡がスムーズです。
席順の基本
席順は、両家の親が向かい合う配置が基本です。入口から遠い上座に両家の父親、その隣に母親が座り、入口近くの下座にふたりが並びます。ふたりは会の進行役として動きやすいよう、出入り口に近い位置に座るのが自然です。祖父母が参加する場合は、父母より上座に案内します。厳密な決まりではないため、会場のテーブル形状や参加人数に合わせ、両家が会話しやすい配置を優先して構いません。個室を予約するときに、テーブルの形(円卓か長テーブルか)も確認しておくと当日に慌てません。
よくある質問
まとめ:形式より「両家が打ち解けること」を大切に
顔合わせ食事会は、結納に代わって約7割のカップルが選ぶ、両家が初めて顔を合わせる食事の席です。個室でコース料理を囲み、始まりの挨拶から家族紹介、乾杯、締めの挨拶へと進めれば、形式にこだわらなくても和やかな会になります。費用や手土産、服装の格を両家でそろえ、ふたりが橋渡し役になることが、当日を穏やかにする一番のコツです。
顔合わせが済んだら、いよいよ入籍や結婚式の準備が本格化します。入籍の手続きは婚姻届の書き方と提出の流れをまとめた記事で確認できます。
出典
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