引き出物とは

引き出物とは、結婚式や披露宴に出席してくれたゲストへ、新郎新婦がお礼として贈る品です。もともとは披露宴の主催者がゲストに持たせた「お土産」にあたり、来てくれたことへのおもてなしと、いただいたご祝儀へのお返しという二つの意味を持ちます。この成り立ちから、引き出物の金額はゲストが包むご祝儀とのバランスで考えるのが基本です。

現在は「記念品(引出物)」「引き菓子」「縁起物」の3品を1セットにして渡すのが主流です。記念品がメインの贈り物、引き菓子は持ち帰る祝いの菓子、縁起物は縁起をかつぐ小さな品、という役割分担で3品をひとそろえにします。まずは中身と役割を押さえておきましょう。

品目役割代表的な品
記念品(引出物)メインの贈り物カタログギフト、食器、タオルなど
引き菓子持ち帰る祝いの菓子バウムクーヘン、焼き菓子など
縁起物縁起をかつぐ小さな品鰹節、赤飯、梅干しなど

縁起物は地域や式場によって扱いが変わり、つけない場合もあります。金額の目安は次章で詳しく見ていきます。

引き出物の相場はいくら?

引き出物の相場は、ゲスト1人あたり6,000円前後です。ボリュームゾーンは5,000円台で、記念品・引き菓子・縁起物を合わせたひとそろえの金額を指します。品目別に見ると、メインの記念品が平均6,300円(3,000円台が最も多い)、引き菓子が平均1,400円(1,000〜1,500円が中心)、見送り時に渡すプチギフトが300円弱です。

金額を決める基準は「ゲストのご祝儀の約1割」です。ご祝儀が3万円なら3,000円前後、5万円なら5,000円前後の記念品を選ぶ、という考え方が目安になります。1割を大きく下回ると軽く見えやすく、大きく上回るとかえって気を遣わせるため、ご祝儀額に合わせて調整します。

関係性別の贈り分け早見表

贈り分けとは、ゲストの立場に応じて引き出物の金額や内容を変えることです。ご祝儀の額が立場で異なる以上、引き出物もそれに合わせて調整するのが自然で、いまは約8割のカップルが贈り分けを実施しています。分け方は2〜3パターンが中心です。

下表は、想定されるご祝儀額と、それに対する引き出物の目安をまとめたものです。メインの記念品の金額と、引き菓子・縁起物を含めた3品合計の目安を示しています。

ゲストの立場想定ご祝儀記念品(メイン)3品合計の目安
友人・同僚30,000円3,000〜4,000円5,000〜6,000円
上司・主賓30,000〜50,000円5,000〜8,000円7,000〜10,000円
親族(叔父・叔母・いとこ)50,000〜100,000円5,000〜10,000円7,000〜13,000円
夫婦・家族連名50,000〜70,000円5,000〜7,000円7,000〜10,000円

いずれもご祝儀額に対する目安です。ご祝儀の額は年代や関係の近さでも変わるため、迷ったときは「ご祝儀の1割前後」に立ち返って決めると整理しやすくなります。親族が包むご祝儀の具体的な相場は甥・姪の結婚式ご祝儀ご祝儀の相場ガイドも参考になります。

引き出物の品数と地域の違い

引き出物の品数は、記念品・引き菓子・縁起物の3品が全国的な標準で、最も多い形です。品数は偶数を避けて3品や5品といった奇数にそろえるのが、縁起の面での基本になります。

一方で、地域によって考え方は大きく変わります。北海道は会費制が多いため1品が中心、北陸(新潟・富山・石川・福井)では縁起物を重ねて3〜5品にする習慣が残っています。新潟の「松の葉」、北陸の「細工かまぼこ」のように、土地ごとの縁起物を加える文化もあります。両家で地域が異なる場合は、ゲストの住む地域や式を挙げる土地の慣習に合わせ、事前に両家で品数の方針をすり合わせておくと行き違いを防げます。

カタログギフトと実物、どちらを選ぶ

記念品は、いまカタログギフトが主流です。冊子型とウェブ型を合わせて9割以上のカップルが選んでおり、持ち帰る荷物が軽く、ゲストが好みの品を選べる点が支持されています。実物(食器・タオルなど)は記念に残りやすく、地域の慣習で好まれる場合もあります。

カタログギフトと実物の比較

項目

カタログギフト

実物(食器・タオル等)

ゲストの負担

持ち帰りが軽い。好みの品を後から選べる

当日持ち帰る荷物が増える。好みに合わないこともある

贈り分け

価格帯別のカタログで金額を調整しやすい

品ごとに用意するため区分が増えると手間

費用の内訳

商品代のほかにシステム料が数百円かかる

商品代のみ。まとめ買いで単価を抑えやすい

向いている場面

幅広い年代のゲスト、贈り分けを細かくしたい場合

記念に残る品を贈りたい、地域の慣習で実物が好まれる場合

カタログギフトは商品代に加えてシステム料(1件あたり数百円程度)がかかる。3品合計の予算に含めて考える。

カタログギフトを選ぶときは、掲載点数だけでなく、ゲストの年代に合う品がそろっているかを確認します。年配のゲストが多い場合は、ウェブ型よりも冊子型のほうが選びやすいことがあります。

引き出物の渡し方と手配の時期

引き出物は、披露宴の各席にあらかじめ用意しておき、ゲストが帰るときに持ち帰る形が基本です。近年は、当日の荷物を減らすために後日宅配で届ける「引き出物宅配」を選ぶカップルも増えています。宅配は当日の持ち運びがない一方、住所の確認とゲストへの事前案内が必要になります。

決定から発注までの流れ

  1. 品数と1人あたりの予算を決める

    ご祝儀の1割を起点に、記念品・引き菓子・縁起物の金額を配分します。地域の慣習があれば品数を合わせます。

  2. 贈り分けの区分を決める

    友人・上司・親族など、立場ごとに何パターンに分けるかを決めます。同じ区分のゲストは品をそろえます。

  3. 品を選び、必要数を確定する

    出欠の最終人数が固まってから、区分ごとの必要数を発注します。予備を1〜2セット持っておくと安心です。

  4. 当日配布か宅配かを決める

    宅配にする場合は、ゲストの住所を出欠回答とあわせて集めておきます。当日配布は席への配置を式場と確認します。

出欠の人数が固まらないと必要数を確定できないため、出欠管理は早めに整えておくと手配がスムーズになります。招待状の出欠回答から住所までを一元管理できると、宅配の手配も進めやすくなります。

引き出物なし・会費制の場合

会費制の結婚式や少人数の食事会では、引き出物を用意しない、またはプチギフトのみにするケースもあります。会費は「パーティーの参加費」であり、ご祝儀のようなお祝いを受け取っているわけではないため、ご祝儀制と同じ引き出物は必須ではありません。会費額に応じたギフトの考え方は会費制結婚式の引き出物で詳しく解説しています。会費制そのものの仕組みは会費制結婚式とはを参照してください。

ご祝儀制でも、遠方から現金書留でご祝儀を送ってくれた人や、当日欠席でお祝いをいただいた人には、引き出物とは別に「内祝い」としてお返しをします。目安はいただいた額の半分から3分の1です。

引き出物についてよくある質問

出典

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  3. [3]